実施設計が完了すると工事を請け負う施工業者を数社選び見積用図面を渡し見積合わせを行います。建物の用途・構造・規模・仕様に適した建設会社、又は工務店を選びますが、この選択は基本的に当社で行います。ご希望があれば施主の紹介業者が、見積りに参加することもありますが、慎重に判断・評価することになります。
設計者の意図や要求を的確に理解し、確実に施工できる技術力があるか引き渡し後のアフターケアへの責任感があるかなど、業者選定のポイントになるため、施主からの紹介だからといって選定されるとは限りません。
見積り合わせでは、明細な見積りを提出してもらい各社別々に、その内容に対し細かい質問をした後、改めて各社の金額、技術力、見積りの妥当性、見積り落としの有無、物件に対する意欲、現場主任の予定などを検討した後に、最も相応した会社に決定します。そして施主の了解を得た上で、最終的に決定した業者との間で工事請負契約を行います。
但し、その見積り金額が予算をオーバーしており施主が予算に近づけることを望む場合は、請負契約前にその内定業者と見積り調整を行い金額を確定していきます。
原設計の価値、意図を損なわず金額を予算に合わせる検討作業を行いますが、予算の額まで下がらない場合、施主と項目ごとに相談の上、仕様変更を行ったり一部を取りやめたり、2期工事として将来に回すなどしてコストダウンを図ります。これに並行して施工の元請け業者に減額案を提案してもらうと共に下請業者にも協力してもらうことにより、企業努力としてどこまで金額を下げられるか検討してもらいます。
金額的に施主の了解を得られた時点で、工事契約用の全ての図面上の変更箇所を訂正し、最後にその内容を施主と施工業者にも確認していただきます。
場合によっては、最初から、一社に絞って見積りを発注する事もあります。これは『特命』と言って、金額を下げることよりも、工事会社の技術力の評価を優先するときに採用する方法です。 |